統計検定2級 練習問題

問1:データの記述】

変数値 x1​,x2​,…,xn​ の平均値が xˉ、分散が s2 であるとき、すべてのデータに定数 a を足して b 倍した新しいデータ yi​=bxi​+a (ただし b>0)の分散 sy2​ はどのように表されるか。

  1. bs2+a
  2. b2s2+a
  3. bs2
  4. b2s2
解答

【正解】 4 【解説】 データの線形変換において、平均値は bxˉ+a となりますが、分散は足し算(平行移動)の影響を受けず、掛け算の2乗倍になります。したがって、sy2​=b2s2 となります。標準偏差であれば bs倍となります。

【問2:2変数の相関】

散布図において、すべてのデータ点が右上がりの直線上に完全に並んでいるとき、ピアソンの積率相関係数の値として正しいものはどれか。

  1. 0
  2. 0.5
  3. 1
  4. 不定(計算できない)
解答

【正解】 3 【解説】 相関係数は −1 から 1 の値をとります。完全に正の相関(右上がりの直線)がある場合は 1、完全に負の相関(右下がりの直線)がある場合は −1 となります。

【問3:確率分布】

期待値 μ=10、分散 σ2=4 の正規分布に従う変数 X について、 P(X≥12) を求めるために標準化を行ったとき、標準正規分布 Z の値として適切なものはどれか。

  1. Z≥0.5
  2. Z≥1.0
  3. Z≥2.0
  4. Z≥4.0
解答

【正解】 2 【解説】 標準化の式 Z=σX−μ​ に代入します。 σ=4​=2 なので、 Z=212−10​=22​=1 となります。

【問4:標本分布】

母集団の分布が正規分布ではない場合でも、標本サイズ n が十分に大きければ、標本平均 Xˉ の分布は近似的に正規分布に従うという定理を何というか。

  1. 大数の法則
  2. 中心極限定理
  3. ベイズの定理
  4. ガウス=マルコフの定理
解答

【正解】 2 【解説】 統計学において最も重要な定理の一つです。元の分布が何であれ、平均の分布は n が大きければ正規分布に近づきます。「大数の法則」は、標本平均が母平均に収束することを指します。

【問5:推定】

信頼水準 95% の信頼区間の解釈として、最も適切なものはどれか。

  1. 母数がその区間に入る確率が 95% である。
  2. 同様のサンプリングを100回繰り返したとき、約95回の割合で構築した区間に母数が含まれる。
  3. 標本データの 95% がその区間の中に含まれている。
  4. 次に抽出する1つのデータが 95% の確率でその区間に入る。
解答

【正解】 2 【解説】 頻度論的な統計学では、母数は定数であり、動くのは「区間」です。そのため「確率」ではなく「信頼係数(同様の手順を繰り返した時の成功率)」として解釈します。

【問6:仮説検定】

P値(有意確率)が 0.03 であった。有意水準 α=0.05 で検定を行うとき、どのような結論になるか。

  1. 帰無仮説を棄却し、対立仮説には有意な差があるとは言えない。
  2. 帰無仮説を棄却できず、有意な差があるとは言えない。
  3. 帰無仮説を棄却し、統計的に有意な差があると言える。
  4. 有意水準がP値より大きいため、検定は失敗である。
解答

【正解】 3 【解説】 P値が有意水準 α よりも小さい(P<α)場合、「めったに起こらないことが起きた」と判断し、帰無仮説を棄却して「有意な差がある」と結論付けます。

【問7:カイ二乗検定】

2つの名義変数(例:性別と支持政党)の間に、関連性があるかどうかを調べる検定として適切なものはどれか。

  1. 独立性の検定
  2. 適合度の検定
  3. 等分散の検定
  4. 対応のあるt検定
解答

【正解】 1 【解説】 分割表(クロス集計表)を用いて、2つの属性が互いに独立かどうかを調べるのが「独立性の検定」です。適合度の検定は、観測された頻度が特定の分布(比率)に一致するかを調べます。

【問8:線形回帰】

単回帰分析において、決定係数 R2 が 0.64 であった。このとき、相関係数 r の絶対値として正しいものはどれか。

  1. 0.32
  2. 0.40
  3. 0.64
  4. 0.80
解答

【正解】 4 【解説】 単回帰分析において、決定係数は相関係数の2乗に等しくなります(R2=r2)。 0.64​=0.8 となります。

【問9:分散分析】

3つ以上の群の平均値に差があるかどうかを検定する「分散分析(ANOVA)」において用いられる統計量はどれか。

  1. z 統計量
  2. t 統計量
  3. F 統計量
  4. χ2 統計量
解答

【正解】 3 【解説】 分散分析では、群間のばらつきと群内のばらつきの比をとった「F統計量」を用います。 t 検定は2群の比較に用いられます。

【問10:時系列・指数】

ラスパイレス指数とパーシェ指数の違いについて、正しい記述はどれか。

  1. ラスパイレス指数は比較時の数量を、パーシェ指数は基準時の数量を重みに用いる。
  2. ラスパイレス指数は基準時の数量を、パーシェ指数は比較時の数量を重みに用いる。
  3. 両者の幾何平均をとったものを消費者物価指数と呼ぶ。
  4. パーシェ指数は常にラスパイレス指数より大きな値になる。
解答

【正解】 2 【解説】 ラスパイレスは「過去(基準時)」の重み、パーシェは「現在(比較時)」の重みを使います。なお、両者の幾何平均は「フィッシャー指数」と呼ばれます。