この基本情報技術者 用語集では、シラバスのネットワーク分野に登場する重要用語を網羅的に解説しています。具体的には、OSI参照モデル・TCP/IP、LAN・物理層、IPアドレス・ルーティング、応用プロトコル(HTTP・SMTP・DNS)、無線通信、ネットワーク仮想化まで幅広くカバーしています。それぞれの用語には具体例を添えているので、試験対策だけでなく実務の理解にも役立ちます。下の検索ボックスやカテゴリタブを使うと、目的の用語を素早く見つけられます。
この基本情報技術者 用語集は試験範囲を網羅しているため、学習の辞書としてブックマークしておくと便利です。ほかの分野の用語集と合わせて活用することで、基本情報技術者試験の全体像を効率よく把握できます。
0 件の用語
基礎・参照モデル ― 基本情報技術者 用語集
ネットワークの基礎は、基本情報技術者試験で必出の分野です。したがって、ここではネットワークの基本概念とOSI参照モデル・TCP/IPモデルを順に解説します。また、各層の役割を整理しておきましょう。
ネットワークの基本概念
まず、ネットワークの基本概念を確認します。たとえば、プロトコルとは通信の約束ごとです。さらに、パケット交換と回線交換の違いも基本情報技術者試験で問われます。
- ネットワーク
- 複数のコンピュータや機器を通信回線で結び、データをやり取りできるようにした仕組み。 例:社内LAN、インターネット、家庭内Wi-Fi
- LAN
- Local Area Network。家庭やオフィスなど狭い範囲のネットワーク。 例:会社の同一フロア内ネットワーク、家庭内Wi-Fi
- WAN
- Wide Area Network。広域ネットワーク。LANどうしを結ぶ。 例:本社と支社を結ぶ通信回線、インターネット
- MAN
- Metropolitan Area Network。都市規模の中域ネットワーク。LANとWANの中間。 例:同一都市内の大学キャンパス間接続
- インターネット
- 世界中のネットワークを相互接続した巨大なネットワーク。TCP/IPで構成。 例:Webやメールが行き来する地球規模のネットワーク
- イントラネット
- 組織内専用のインターネット技術を使ったネットワーク。 例:社内ポータル、社内グループウェア
- エクストラネット
- イントラネットを取引先や顧客に拡張したネットワーク。 例:取引先と共有する受発注システム
- プロトコル
- 通信を行う際の決まりごと・取り決め。送受信側で一致している必要がある。 例:HTTP、TCP/IP、SMTP
OSI参照モデル
次に、OSI参照モデルの7階層を確認します。たとえば、各層が独立した役割を担うことで複雑な通信を整理できます。また、各層で動くプロトコルの名前も覚えておきましょう。
- OSI参照モデル
- 通信機能を7階層に分けて整理した国際標準モデル。 例:物理・データリンク・ネットワーク・トランスポート・セッション・プレゼンテーション・アプリケーション
- 第1層 物理層
- 電気信号や物理的なケーブル・コネクタの規格を扱う層。 例:LANケーブル、光ファイバ、コネクタRJ-45
- 第2層 データリンク層
- 隣接する機器間の通信を制御する層。MACアドレスで識別。 例:イーサネット、無線LAN、PPP
- 第3層 ネットワーク層
- 異なるネットワーク間で経路を選択しデータを届ける層。IPアドレスで識別。 例:IP、ICMP、ルータが動作する層
- 第4層 トランスポート層
- 端末間の通信品質を保証する層。ポート番号でアプリを識別。 例:TCP(信頼性重視)、UDP(速度重視)
- 第5層 セッション層
- 通信の開始から終了までの一連のやり取りを管理する層。 例:ログイン状態の維持、対話セッションの確立
- 第6層 プレゼンテーション層
- データ形式の変換・圧縮・暗号化を扱う層。 例:文字コード変換、JPEG圧縮、SSL/TLS暗号化
- 第7層 アプリケーション層
- ユーザが利用するアプリの通信機能を扱う層。 例:HTTP、SMTP、FTP、DNS
- カプセル化
- 上位層のデータに各層のヘッダを順次付加していく処理。 例:HTTPデータにTCPヘッダ→IPヘッダ→イーサネットヘッダを付加
- プロトコルスタック
- 各層のプロトコルを積み重ねたソフトウェアの構造。 例:TCP/IPプロトコルスタック
TCP/IP参照モデル
続いて、TCP/IP参照モデルを見ていきます。たとえば、OSIの7層に対しTCP/IPは4層構成というシンプルなモデルです。さらに、両モデルの対応関係も基本情報技術者試験で頻出です。
- TCP/IP
- インターネットの標準プロトコル群。OSIの7層を4層に簡略化したモデル。 例:ネットワークインタフェース・インターネット・トランスポート・アプリケーションの4層
- ネットワークインタフェース層
- TCP/IPの最下位層。OSIの物理層とデータリンク層に相当。 例:イーサネット、無線LAN
- インターネット層
- TCP/IPで経路選択を行う層。OSIのネットワーク層に相当。 例:IP、ICMP、ARP
- トランスポート層(TCP/IP)
- 端末間の通信を制御する層。 例:TCP、UDP
- アプリケーション層(TCP/IP)
- TCP/IPの最上位層。OSIの5〜7層に相当。 例:HTTP、SMTP、DNS、FTP
LAN・物理層 ― 基本情報技術者 用語集
LANと物理層は、ネットワークの土台となる技術です。とくに、イーサネット規格や伝送媒体の特性は基本情報技術者試験で頻出です。また、ハブ・スイッチ・ルータなど機器の違いも押さえておきましょう。
イーサネットとLAN規格
まず、有線LANの代表的な規格を確認します。たとえば、イーサネットは現在のLANの事実上の標準です。さらに、1000BASE-Tや10GBASE-Tなど速度別の規格があります。
- イーサネット
- 有線LANの標準規格。IEEE 802.3で定義される。 例:10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T、10GBASE-T
- CSMA/CD
- イーサネットの古典的なアクセス制御方式。衝突を検知して再送する。 例:半二重通信時の衝突検出と再送制御
- CSMA/CA
- 無線LANのアクセス制御方式。事前に衝突を回避する。 例:Wi-FiでRTS/CTSの仕組みで衝突回避
- MACアドレス
- ネットワーク機器に割り当てられた一意の物理アドレス。48ビット。 例:「00:1A:2B:3C:4D:5E」のような16進数表記
- フレーム
- データリンク層で扱うデータの単位。MACアドレスを含む。 例:イーサネットフレームには宛先・送信元MACアドレスが付加
ネットワークトポロジ
次に、ネットワークの接続形態を見ていきます。たとえば、スター型・バス型・リング型などの基本トポロジがあります。また、各形態の特徴と用途も整理しておきましょう。
- バス型
- 1本の線に複数の機器をぶら下げる構造。古いイーサネットで使用。 例:10BASE-2、10BASE-5の旧式LAN
- スター型
- 中央の機器(ハブ・スイッチ)から放射状に各機器を接続する構造。現在主流。 例:オフィスのLAN配線、家庭の無線LAN
- リング型
- 機器を環状に接続する構造。 例:トークンリングLAN、光ファイバ環状ネットワーク
- メッシュ型
- 多数の機器が網目状に相互接続する構造。冗長性が高い。 例:インターネットのバックボーン、メッシュWi-Fi
伝送媒体
続いて、データを伝送する物理的な媒体を確認します。たとえば、ツイストペアケーブルや光ファイバが代表的です。さらに、各媒体の特性(距離・速度・コスト)も基本情報技術者試験で頻出です。
- UTPケーブル
- Unshielded Twisted Pair。撚り対線で構成された一般的なLANケーブル。 例:Cat5e、Cat6、Cat6Aケーブル
- STPケーブル
- Shielded Twisted Pair。シールド付きの撚り対線。ノイズに強い。 例:工場など電磁ノイズが多い環境で使用
- 光ファイバ
- 光信号でデータを伝送するケーブル。高速・長距離・低損失。 例:FTTHの「光回線」、データセンタ間接続
- 同軸ケーブル
- 中心導体を絶縁体と外部導体で覆ったケーブル。 例:テレビアンテナ、古いLAN
- 伝送速度
- 1秒あたりに伝送できるデータ量。bps(bit per second)で表す。 例:100Mbps、1Gbps、10Gbps
- 帯域幅
- 通信路で同時に伝送できるデータ容量。広いほど多くのデータが流せる。 例:光ファイバは10Gbps級の広帯域
- 全二重通信
- 送受信を同時に行える通信方式。 例:現代のスイッチングハブ接続、電話
- 半二重通信
- 送受信を交互に行う通信方式。 例:トランシーバ、古いハブのLAN
- 単方向通信
- 一方向にしか通信できない方式。 例:放送(テレビ・ラジオ)
ネットワーク機器
さらに、ネットワーク機器の役割を見ていきます。たとえば、ハブ・スイッチ・ルータでは動作する層が異なります。また、各機器の使い分けも重要なポイントです。
- リピータ
- 物理層で信号を増幅・整形する装置。 例:長距離伝送で信号減衰を補う中継装置
- ハブ
- 複数のLANケーブルを集約する装置。受信信号を全ポートに送る。 例:リピータハブは衝突ドメインを共有
- ブリッジ
- データリンク層で動作し、MACアドレスを見て不要なフレームを通さない装置。 例:LANセグメントを分割してトラフィックを軽減
- スイッチングハブ(L2スイッチ)
- MACアドレスを見て宛先ポートだけにフレームを送る装置。 例:現代のオフィスや家庭のLAN中継機器
- L3スイッチ
- ネットワーク層の処理も行えるスイッチ。ルータの機能を統合。 例:大規模LAN内のVLAN間ルーティング
- ルータ
- 異なるネットワーク間で経路を選択してパケットを転送する装置。 例:家庭用ルータでLANをインターネットに接続
- ゲートウェイ
- 異なるプロトコル間の変換を行う装置。広義にはルータも含む。 例:メールゲートウェイ、APIゲートウェイ
- デフォルトゲートウェイ
- 自分のネットワーク外への通信時に経由するルータ。 例:家庭でPC→家庭用ルータ→インターネットの経由
- VLAN
- Virtual LAN。物理的に同じLANを論理的に分割する技術。 例:1台のスイッチで部署ごとに別ネットワーク化
- PoE
- Power over Ethernet。LANケーブルで電源も供給する技術。 例:無線APやIPカメラに電源とデータを1本で供給
TCP/IPの仕組み ― 基本情報技術者 用語集
TCP/IPは、現在のインターネットを支える基本プロトコルです。とくに、TCPとUDPの違い、IPの役割は基本情報技術者試験で必ず問われます。また、ICMP・ARPなどの補助プロトコルも重要です。
IPの基本
まず、IPプロトコルの基本を確認します。たとえば、IPはコネクションレスでベストエフォート型のプロトコルです。さらに、IPパケットの基本構造も理解しておきましょう。
- IP
- Internet Protocol。インターネット層の中心プロトコル。パケット転送と経路選択を担う。 例:IPv4、IPv6
- パケット
- ネットワーク層で扱うデータの単位。 例:1つの大きなファイルが複数のIPパケットに分割される
- パケット交換方式
- データをパケットに分割して送受信する方式。回線を効率的に使える。 例:現代のインターネットの基盤方式
- 回線交換方式
- 通信前に回線を占有して通信する方式。 例:古典的な電話網
- ベストエフォート型
- 通信品質を保証せず、可能な限り頑張る方式。 例:一般的なインターネット接続サービス
- QoS
- Quality of Service。通信品質を制御・保証する仕組み。 例:音声・映像通信を優先的に処理
- MTU
- Maximum Transmission Unit。1パケットで送信できる最大サイズ。 例:イーサネットでは標準1500バイト
トランスポート層
次に、トランスポート層のTCPとUDPを見ていきます。たとえば、TCPは信頼性重視、UDPはリアルタイム性重視という違いがあります。また、ポート番号の概念も基本情報技術者試験で頻出です。
- TCP
- Transmission Control Protocol。信頼性のあるコネクション型通信を提供する。 例:Webブラウジング、ファイル転送
- UDP
- User Datagram Protocol。コネクションレスで高速な通信を提供する。信頼性は低い。 例:DNS、音声通話、動画ストリーミング
- 3ウェイハンドシェイク
- TCPの接続確立手順。「SYN→SYN-ACK→ACK」の3段階。 例:HTTPS通信前のTCP接続確立
- シーケンス番号
- TCPで送信したデータの順序を管理する番号。 例:パケットの順序入れ替わりを検出して並べ直し
- 確認応答(ACK)
- 受信したことを送信元に知らせる応答。 例:「次は1500番から欲しい」と返答
- 再送制御
- 送信したパケットが届かなかった場合に再送する制御。 例:一定時間ACKが返らない場合に再送
- フロー制御
- 受信側の処理能力に合わせて送信速度を調整する制御。 例:受信窓を伝えて送信側の流量を調整
- 輻輳制御
- ネットワーク全体の混雑を防ぐ制御。 例:パケットロス発生時に送信速度を下げる
- ポート番号
- 同じ機器内のアプリを識別する16ビットの番号。 例:HTTP=80、HTTPS=443、SSH=22、SMTP=25
- ウェルノウンポート
- 0〜1023番。主要サービス用に予約された範囲。 例:HTTP(80)、FTP(21)、DNS(53)、HTTPS(443)
- 登録済みポート
- 1024〜49151番。特定用途に登録された範囲。 例:MySQL(3306)、PostgreSQL(5432)、RDP(3389)
- 動的ポート
- 49152〜65535番。クライアント側で一時的に使われる範囲。 例:ブラウザがWebサーバへ接続する際の送信元ポート
ICMP・ARP・補助プロトコル
続いて、補助的なプロトコルを確認します。たとえば、ICMPはネットワーク診断、ARPはMACアドレス解決に使われます。さらに、DHCPによるIP自動割当ても重要なテーマです。
- ICMP
- Internet Control Message Protocol。通信制御や障害通知に使うプロトコル。 例:pingコマンドで疎通確認、エラー通知
- ping
- 相手の応答有無や遅延を調べるコマンド。ICMPを使う。
例:
ping 8.8.8.8でGoogleの応答時間を計測 - traceroute
- 宛先までの経路を表示するコマンド。
例:
tracert google.comで経由ルータを確認 - ARP
- Address Resolution Protocol。IPアドレスからMACアドレスを調べるプロトコル。 例:LAN内で通信相手のMACアドレスを取得
- RARP
- Reverse ARP。MACアドレスからIPアドレスを調べるプロトコル。 例:ディスクレス端末がIPアドレスを取得
IPアドレス・経路制御 ― 基本情報技術者 用語集
IPアドレスと経路制御は、ネットワークの中核技術です。たとえば、IPv4アドレスのクラスやサブネットマスクは計算問題でよく出ます。さらに、IPv6やルーティングプロトコルも基本情報技術者試験で頻出です。
IPv4アドレス
まず、IPv4アドレスの基本を確認します。たとえば、32ビットを4つの数字(オクテット)で表記します。また、クラスA〜Cの違いや、グローバル・プライベートの区別も基本情報技術者試験で頻出です。
- IPアドレス
- ネットワーク上の機器を識別する番号。IPv4は32ビット、IPv6は128ビット。 例:192.168.1.1(IPv4)、2001:db8::1(IPv6)
- IPv4
- 32ビットのIPアドレス。約43億個のアドレスを表現可能だが枯渇しつつある。 例:「192.168.0.1」のように4つの8ビット値で表記
- ネットワーク部
- IPアドレスのうちネットワーク自体を示す部分。 例:192.168.1.0/24なら「192.168.1」がネットワーク部
- ホスト部
- IPアドレスのうち個々の機器を示す部分。 例:192.168.1.10の「10」がホスト部
- クラスA
- 先頭ビットが0で、ホスト数を多く取れるアドレス(約1677万個)。 例:1.0.0.0〜126.255.255.255の範囲
- クラスB
- 先頭が10で始まる中規模ネットワーク用(約6万5千個)。 例:128.0.0.0〜191.255.255.255
- クラスC
- 先頭が110で始まる小規模ネットワーク用(254個)。 例:192.0.0.0〜223.255.255.255
- プライベートIPアドレス
- 組織内でのみ使えるIPアドレス。インターネット上では使われない。 例:10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16
- グローバルIPアドレス
- インターネット上で一意に割り当てられたIPアドレス。 例:ISP契約時に割り当てられるアドレス
- ループバックアドレス
- 自分自身を指す特殊なIPアドレス。 例:127.0.0.1(localhost)
- ブロードキャストアドレス
- 同一ネットワーク内のすべての機器に送信するアドレス。 例:192.168.1.0/24なら192.168.1.255
サブネット・CIDR
次に、サブネット化とCIDR表記を見ていきます。たとえば、サブネットマスクでネットワーク部とホスト部を分けます。さらに、CIDR表記(/24など)は近年広く使われています。
- サブネット
- 大きなネットワークを論理的に分割した小さなネットワーク。 例:部署ごとにサブネットを分けて管理
- サブネットマスク
- IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境界を示すビット列。 例:255.255.255.0は上位24ビットがネットワーク部
- CIDR
- Classless Inter-Domain Routing。クラスにとらわれず柔軟にアドレス割当する方式。 例:「192.168.1.0/24」の「/24」がネットワーク部のビット数
- プレフィックス長
- CIDR表記でネットワーク部の長さを示すビット数。 例:/24は256個、/25は128個、/26は64個のアドレス
- サブネッティング
- 1つのネットワークを複数のサブネットに分割する作業。 例:/24(256個)を4つの/26サブネットに分割
- スーパーネッティング
- 複数の連続したネットワークを1つにまとめる作業。 例:複数の/24を1つの/22に集約してルーティング簡素化
IPv6
続いて、IPv6の特徴を確認します。たとえば、128ビットの長さでアドレス枯渇問題を解決しています。また、IPv4とは互換性がないため移行技術も重要です。
- IPv6
- 128ビットのIPアドレス。アドレス枯渇の解決とセキュリティ強化が目的。 例:「2001:db8::1」のようにコロン区切りの16進数
- IPv4枯渇問題
- IPv4アドレスが世界的に不足している問題。NATとIPv6で対応。 例:2011年にIANAの中央在庫が枯渇
- デュアルスタック
- IPv4とIPv6の両方を同時にサポートする方式。 例:移行期のOS・ルータで両方のアドレスを持つ
- IPv6グローバルアドレス
- インターネット上で一意なIPv6アドレス。 例:2000::/3の範囲に割り当てられる
- リンクローカルアドレス
- 同一リンク内でのみ有効なIPv6アドレス。 例:fe80::/10の範囲
アドレス変換
さらに、アドレス変換技術を見ていきます。たとえば、NAT/NAPTはプライベートIPとグローバルIPを変換します。また、ポート変換も含めて理解しておきましょう。
- NAT
- Network Address Translation。プライベートIPとグローバルIPを変換する技術。 例:家庭内LANの複数機器が1つのグローバルIPで通信
- NAPT(IPマスカレード)
- NATにポート番号変換を加え、複数機器が1つのグローバルIPを共有する技術。 例:家庭内LANの一般的な接続方法
- 静的NAT
- プライベートIPとグローバルIPを1対1で固定的に対応付けるNAT。 例:内部のサーバを外部公開する際に使用
- 動的NAT
- プライベートIPとグローバルIPの対応付けを動的に行うNAT。 例:外部接続時に空いているグローバルIPを割当て
ルーティング
最後に、ルーティングの仕組みを確認します。たとえば、RIPとOSPFは代表的なルーティングプロトコルです。さらに、各プロトコルの動作原理も基本情報技術者試験で頻出です。
- ルーティング
- パケットを宛先まで届けるための経路選択処理。 例:複数経路から最短の経路を選んで転送
- ルーティングテーブル
- ルータが持つ宛先ネットワークと送信先の対応表。 例:「192.168.2.0/24は次にX、デフォルトはY」
- スタティックルーティング
- 管理者が手動で経路を設定する方式。 例:小規模ネットワークで固定的に経路設定
- ダイナミックルーティング
- ルータどうしが情報交換して自動的に経路を決める方式。 例:RIP、OSPF、BGPなどのルーティングプロトコル
- RIP
- Routing Information Protocol。ホップ数を基準にする古典的なルーティングプロトコル。 例:小規模ネットワーク向けで最大15ホップまで
- OSPF
- Open Shortest Path First。リンクの状態を見て最短経路を計算するプロトコル。 例:企業内の大規模ルーティングに広く採用
- BGP
- Border Gateway Protocol。インターネットの基幹を支えるルーティングプロトコル。 例:ISP間で経路情報を交換
応用プロトコル ― 基本情報技術者 用語集
応用プロトコルは、私たちが日常で使うサービスを支えています。たとえば、HTTPはWebブラウジング、SMTPはメール送信に使われます。また、DNSによる名前解決も基本情報技術者試験で頻出のテーマです。
Web関連
まず、Web関連のプロトコルを確認します。たとえば、HTTPはWebの基本プロトコルです。さらに、HTTPSによる暗号化通信は現代のWebでは必須となっています。
- HTTP
- HyperText Transfer Protocol。Webページ取得用のプロトコル。ポート80。 例:ブラウザでhttp://〜にアクセス
- HTTPS
- HTTPをTLSで暗号化した安全な通信。ポート443。 例:ECサイト・銀行サイトの全通信
- HTTP/2
- HTTPの第2版。多重化と圧縮で高速化。 例:1つの接続で複数リクエストを並行処理
- HTTP/3
- UDPベースのQUICを使うHTTPの最新版。低遅延が特徴。 例:YouTube、Googleサービスで採用
- URL
- Uniform Resource Locator。Web上のリソースの場所を示す文字列。
例:
https://example.com/page?id=1 - WebSocket
- サーバとクライアントの双方向通信を実現するプロトコル。 例:チャット、リアルタイム通知、オンラインゲーム
- Cookie
- Webサーバがブラウザに保存させる小さなデータ。状態管理に使う。 例:ログイン状態維持、ショッピングカートの保持
- セッションID
- サーバ側でユーザを識別する一時的なID。Cookieで保持されることが多い。 例:ログイン後に発行され、サーバ側で照合
メール関連
次に、メール関連のプロトコルを見ていきます。たとえば、SMTPは送信、POP3とIMAPは受信に使われます。また、それぞれの使い分けも基本情報技術者試験で頻出です。
- SMTP
- Simple Mail Transfer Protocol。メール送信用のプロトコル。ポート25/587。 例:メールクライアントからメールサーバへの送信
- POP3
- Post Office Protocol v3。メール受信用のプロトコル。サーバから取得後削除が基本。ポート110。 例:従来のメール受信、端末1台での利用に向く
- IMAP4
- Internet Message Access Protocol。サーバ上のメールを残したまま操作するプロトコル。ポート143。 例:複数端末で同じメールを読む使い方
- MIME
- Multipurpose Internet Mail Extensions。メールで添付ファイルや日本語を扱う規格。 例:画像・PDF・日本語の添付メール
- S/MIME
- MIMEに暗号化・電子署名を加えたメール用セキュリティ規格。 例:機密文書を含む業務メールの暗号化
名前解決
続いて、名前解決の仕組みを確認します。たとえば、DNSはドメイン名をIPアドレスに変換するサービスです。さらに、DNSの階層構造とキャッシュも理解しておきましょう。
- DNS
- Domain Name System。ドメイン名とIPアドレスを変換する仕組み。ポート53。 例:「example.com」→「93.184.216.34」に変換
- ドメイン名
- IPアドレスに対応する人間が覚えやすい名前。 例:google.com、yahoo.co.jp
- FQDN
- Fully Qualified Domain Name。完全修飾ドメイン名。
例:
www.example.com.のように末尾までフル指定 - DNSキャッシュ
- DNS問合せ結果を一時的に保存し、再問合せを省く仕組み。 例:直近で調べた名前解決結果をTTL期間保持
- ゾーン
- DNSサーバが管理する範囲。 例:example.comゾーンを管理する権威DNS
- 権威DNSサーバ
- 特定ドメインの情報を持つDNSサーバ。 例:example.comの権威DNSが正しいIPを返す
- キャッシュDNSサーバ
- 名前解決を代行し結果をキャッシュするDNSサーバ。 例:ISPが提供するDNS、Google Public DNS(8.8.8.8)
その他のプロトコル
さらに、その他の重要プロトコルを見ていきます。たとえば、FTPはファイル転送、SSHは安全なリモート接続に使われます。また、SNMPによるネットワーク監視も基本情報技術者試験で出題されます。
- FTP
- File Transfer Protocol。ファイル転送用のプロトコル。ポート20/21。 例:Webサイトのファイルアップロード(暗号化なしのため非推奨化)
- SFTP
- SSH File Transfer Protocol。SSHで暗号化された安全なファイル転送。 例:サーバへのセキュアなファイル転送
- FTPS
- FTP over SSL/TLS。SSL/TLSで暗号化されたFTP。 例:従来のFTPに暗号化を加えた方式
- SSH
- Secure Shell。サーバへ暗号化されたリモート接続を提供する。ポート22。 例:Linuxサーバへのリモート管理
- Telnet
- 暗号化されないリモート接続プロトコル。現代ではSSHが推奨。 例:ネットワーク機器の動作確認用に限定的に使用
- DHCP
- Dynamic Host Configuration Protocol。IPアドレスを自動配布するプロトコル。 例:家庭のPCがLAN接続時に自動でIP取得
- NTP
- Network Time Protocol。時刻同期用のプロトコル。 例:サーバ群が同じ時刻で動作するよう同期
- SNMP
- Simple Network Management Protocol。ネットワーク機器を監視・管理するプロトコル。 例:ルータやサーバの稼働状況を監視ツールで取得
- LDAP
- Lightweight Directory Access Protocol。ディレクトリサービスへのアクセス用プロトコル。 例:Active Directoryで社員情報を一元管理
- SIP
- Session Initiation Protocol。IP電話のセッション制御プロトコル。 例:VoIPによるインターネット電話
- RTP
- Real-time Transport Protocol。音声・映像をリアルタイム伝送するプロトコル。 例:ビデオ会議、ライブ配信
無線・移動通信 ― 基本情報技術者 用語集
無線通信は、スマートフォンの普及で重要性を増しています。とくに、無線LAN(Wi-Fi)の規格は基本情報技術者試験で頻出です。また、Bluetoothや5Gなどの移動体通信も押さえておきましょう。
無線LAN
まず、無線LAN(Wi-Fi)の規格を確認します。たとえば、IEEE 802.11a/b/g/n/ac/axなど世代別に規格があります。さらに、各規格の周波数帯と速度も基本情報技術者試験で頻出です。
- 無線LAN
- 電波で接続するLAN。IEEE 802.11シリーズが標準規格。 例:家庭・オフィス・カフェのWi-Fi
- Wi-Fi
- 無線LANの相互接続認証ブランド。実質的に無線LANと同義。 例:Wi-Fi 5、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7
- IEEE 802.11
- 無線LANの規格群。a/b/g/n/ac/ax/beなどのバージョンがある。 例:802.11ac=Wi-Fi 5、802.11ax=Wi-Fi 6
- アクセスポイント(AP)
- 無線LAN機器を接続する基地局となる装置。 例:家庭のWi-Fiルータ内蔵のAP
- SSID
- Service Set Identifier。無線LANのネットワーク名。 例:「myhome-wifi」など端末が選んで接続する名前
- ESSID
- 複数APをまとめた拡張版SSID。実質的に同じ意味で使われる。 例:複数AP間で同じESSIDなら端末は自動切替
- WEP
- 初期の無線LAN暗号化方式。脆弱性があり現在は非推奨。 例:解読が容易で実用に耐えない
- WPA
- WEPの後継となる暗号化方式。 例:TKIP暗号化を採用、WPA2への移行が推奨
- WPA2
- AESを使った強固な無線LAN暗号化方式。長年標準。 例:現在の家庭・オフィスでの標準的セキュリティ
- WPA3
- WPA2を強化した最新の無線LAN暗号化方式。 例:Wi-Fi 6世代から本格普及
- MACアドレスフィルタリング
- 許可したMACアドレスの機器だけ接続を許可する仕組み。 例:家庭のAPで家族の機器のみ接続可に設定
短距離無線
次に、短距離無線通信の規格を見ていきます。たとえば、Bluetoothは10m程度の近距離通信に使われます。また、NFCやZigBeeなどIoT向けの規格も重要です。
- Bluetooth
- 近距離無線通信規格。低消費電力で多くの機器に搭載。 例:ワイヤレスイヤホン、マウス、スマートウォッチ
- BLE
- Bluetooth Low Energy。極低消費電力のBluetooth。 例:フィットネスバンド、IoTセンサ、ビーコン
- NFC
- Near Field Communication。10cm程度の超近距離無線通信。 例:交通系ICカード、モバイル決済
- RFID
- 無線で識別タグを読み取る技術。 例:商品タグ、物流管理、図書館の蔵書管理
- ZigBee
- 低消費電力・低速度の近距離無線規格。IoTで使われる。 例:スマートホームの照明・センサ制御
移動体通信
続いて、移動体通信の世代別技術を確認します。たとえば、4Gと5Gでは速度と遅延が大きく異なります。さらに、5Gの特徴(高速・低遅延・多接続)も基本情報技術者試験で頻出です。
- 3G
- 第3世代移動通信システム。 例:W-CDMA、CDMA2000など
- 4G/LTE
- 第4世代移動通信。100Mbps級の高速通信。 例:スマホの主流通信規格(5G普及前)
- 5G
- 第5世代移動通信。高速・低遅延・多数同時接続が特徴。 例:1〜10Gbpsの通信、IoTや自動運転の基盤
- LPWA
- Low Power Wide Area。低消費電力で広域をカバーする無線通信。 例:LoRaWAN、Sigfox、IoT機器向け
- テザリング
- スマホをモバイルルータ代わりにする機能。 例:スマホ経由でPCをインターネット接続
応用・最新動向 ― 基本情報技術者 用語集
ネットワークの応用技術は、年々進化しています。たとえば、SDNやネットワーク仮想化は近年注目される分野です。また、CDNやIoT通信といった応用技術も基本情報技術者試験で問われます。
ネットワーク仮想化
まず、ネットワーク仮想化の概念を確認します。たとえば、SDNはネットワークをソフトウェアで制御する技術です。また、VLANによる論理的なネットワーク分割も重要なテーマです。
- SDN
- Software-Defined Networking。ソフトウェアでネットワークを柔軟に制御する技術。 例:データセンタのネットワーク構成をプログラム可能に
- NFV
- Network Functions Virtualization。ルータやFWなどのネットワーク機能をソフトで実現。 例:仮想ルータ、仮想ファイアウォール
- VPN
- Virtual Private Network。公衆網上に仮想的な専用線を構築する技術。 例:在宅勤務で社内ネットへ安全にアクセス
- IPsec
- IPレベルでパケットを暗号化・認証するプロトコル群。VPNの基盤。 例:拠点間VPN接続
- SSL-VPN
- SSL/TLSを使ったVPN。ブラウザだけで使えるなど導入が容易。 例:リモートアクセス時のクライアントレスVPN
- IP-VPN
- 通信事業者のIP網を使った閉域VPNサービス。 例:企業の本社・支社間の安全な接続
- 広域イーサネット
- イーサネット技術で広域ネットワークを実現する閉域サービス。 例:複数拠点を1つのLANのように接続
応用技術
次に、ネットワークの応用技術を見ていきます。たとえば、CDNは大量コンテンツ配信を効率化する仕組みです。また、ロードバランサによる負荷分散も基本情報技術者試験で頻出です。
- CDN
- Content Delivery Network。コンテンツを世界中のサーバから配信する仕組み。 例:Cloudflare、Akamai、Amazon CloudFront
- プロキシサーバ
- クライアントの代理として通信するサーバ。キャッシュやアクセス制御が可能。 例:社内からのWebアクセスを集約・フィルタリング
- リバースプロキシ
- サーバの前面に配置し、外部からのアクセスを中継するプロキシ。 例:Webサーバの負荷分散、HTTPS終端
- ロードバランシング
- 複数のサーバへ通信を分散させる仕組み。 例:Webサーバ群への均等なリクエスト分配
- WebDAV
- HTTPを拡張してファイル管理を可能にするプロトコル。 例:OneDriveやBoxの一部機能で利用
- マルチキャスト
- 特定の複数受信者へ同じデータを送信する通信方式。 例:IPTV、ストリーミング配信
- ユニキャスト
- 1対1の通信方式。 例:通常のWebアクセス、メール送受信
- ブロードキャスト
- 同一ネットワーク内の全機器へ送信する通信方式。 例:ARP問合せ、DHCP要求
- エニーキャスト
- 複数のサーバから最も近いものへ自動的に送信する方式。 例:DNSルートサーバ、CDN配信
通信サービス
続いて、各種通信サービスを確認します。たとえば、ADSLや光ファイバ回線はインターネット接続の基盤です。また、VPNによるセキュアな通信も近年広く使われています。
- ISP
- Internet Service Provider。インターネット接続サービスを提供する事業者。 例:NTT、KDDI、ソフトバンク、OCN、So-net
- FTTH
- Fiber To The Home。家庭まで光ファイバを引き込む方式。 例:フレッツ光、auひかり、NURO光
- ADSL
- 電話回線で高速通信を実現する技術。下りと上りで速度が非対称。 例:FTTH普及前の主流ブロードバンド(現在は縮小)
- CATV回線
- ケーブルテレビ回線を使ったインターネット接続。 例:J:COMの通信サービス
- MVNO
- Mobile Virtual Network Operator。大手キャリアの回線を借りて提供する事業者。 例:いわゆる「格安SIM」事業者
監視・性能評価
最後に、ネットワークの監視と性能評価を見ていきます。たとえば、SNMPは代表的な監視プロトコルです。さらに、スループットやレイテンシなどの性能指標も基本情報技術者試験で頻出です。
- パケットキャプチャ
- 通信パケットを取得して解析するツール・技術。 例:Wireshark、tcpdumpで通信内容を解析
- スループット(通信)
- 実際にデータが流れる速度。理論値より低くなることが多い。 例:1Gbps回線でも実測300Mbps程度になることがある
- レイテンシ(遅延)
- 通信の応答にかかる時間。 例:オンラインゲームでのpingが30ms以下なら快適
- パケットロス
- 送信したパケットが届かない現象。 例:通信品質低下時に動画が途切れる原因
- ジッタ
- パケット到着時間のばらつき。 例:音声・映像通信で品質低下の原因
該当する用語が見つかりませんでした。
関連の基本情報技術者 用語集
ほかの分野もあわせて学習すると、試験範囲を効率よくカバーできます。各分野の基本情報技術者 用語集は以下からアクセスできます。
試験の詳細や最新情報はIPA公式サイト(基本情報技術者試験)をご確認ください。
コメント